一週間に一本、新しいめがねをデザインし、ストライク所属の職人が実際に制作していくストライクチャレンジ。

50回目はフランスのヴィンテージメガネの再現に挑戦します。

 


左 : ヴィンテージ 右 : 再現した眼鏡

 

今のように眼鏡作りの機械化・量産化が進んでいなかった1940~50年代。

フランスの眼鏡はクオリティの高さで世界を大きくリードしていました。

フレームの生地は非常に高品質なセルロイド樹脂を用いたものが多いのが特徴です。

透明度の高い発色や、濃くて色気のある生地、柔らかで温かみのある生地といったセルロイドの生地感も非常に美しいです。

 


フレンチヴィンテージの眼鏡

 

 

デザインや生地を細かに観察し、現代の製法での再現を試みました。

フレンチヴィンテージのエスプリを抽出し、ビスポークの眼鏡作りにも活かせるチャレンジです。

 


参考にしたフレンチヴィンテージ

 

まずは正面の写真を撮って、アウトラインをなぞりデータ化していきます。

一眼レフを使用した際に若干の歪みが生じるので、眼鏡の実寸を計測しながら修正を繰り返します。この眼鏡はブロウ(フレーム上部)の部分に斜めのカッティングが入っているのが特徴なので、直線の幅や面の幅を丁寧に測りました。

智元の曲面もカーブを完全に再現できるような図面を作っています。テンプルはオリジナルの曲がった状態から真っ直ぐなラインをイメージして立体図面を制作するので、非常に難しいポイントでした。

フレンチヴィンテージは現代の眼鏡と違い、レンズのアウトラインとフレームのアウトラインとが綺麗に平行になっていません。そういった細かいディテールが魅力になっているのではないでしょうか。

 

 

当時の雰囲気に近づけるために、手作業でやったほうが良い部分がいくつかありました。

フロントの裏側の鼻の窪みやテンプルの甲丸です。

この窪みがないと鼻に当たって邪魔なので削ってあります。テンプルの甲丸は常にオリジナルと見比べながら、カッティングや光の入り方を研究しました。

 


ブリッジの部分が窪んでいる

 

しかし完成形をみたときに、やはり何かが違うと感じます。

大きな要因の一つは生地の違いです。

当時はセルロイドが主流でしたが、現在はアセテートが主に使われています。セルロイドは強度でヌメ感があるのが特徴なのですが、非常に可燃性が高いため現在ではあまり使われていません。ヨーロッパでは禁止されているくらいです。

一方アセテートは生地が柔らかく加工がしやすいのが特徴。

 

 

ストライクのスタッフは、フランス製だけでなくヴィンテージの眼鏡に触れ合う機会が多いです。

同じ年代の眼鏡でも生産国によって様々な特徴がありますが、フランスの眼鏡は物作りに対する意識が極めて高かったことを思わせるディテールが随所に散りばめられています。

職人の手作業を思わせる部分が多いのです。

 


現在の眼鏡 : 蝶番が飛び出している

 


フレンチヴィンテージ : 蝶番の面が揃っている

 

 


フロントとテンプルが45度で綺麗に繋がっている

 

 

手作業の多い眼鏡を図面通りに制作するだけだと、雰囲気までは再現しきれないところがあります。

なので磨き方を変えたり、削り具合を調整するなど試行錯誤を重ねました。

 


再現した完成品

 

 

例えばビスポークの対話の中でお客様から、フレンチヴィンテージの雰囲気が好きだと言われたとします。

そこでヴィンテージの線をなぞるだけだとお客様の求められている雰囲気とは違ったものになる可能性があるので、フレンチの持つ雰囲気をどのように再現していくかの基礎となる取り組みになりました。

 

ヴィンテージを見てみたい、その雰囲気で眼鏡を作ってみたい方はどうぞお気軽にお越しください!

 

 

 

 

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