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2020.11.18

対談「ど真ん中を、目がけて。」 Vol.1 Photographer Takuya Rikitake × CVO 森下

めがね舎ストライクのスタッフが今話したい人と対談する「ど真ん中を、目がけて。」 第一回目はストライクの写真や動画を担当している森下とフォトグラファーの力武さんです。 個人でフォトグラファーとして、作品作りを初め多様なクライアントワークを手掛けている力武さん。 ストライクのビジュアルディレクターとして動画や画像を担当している森下と「写真」をテーマに話してもらいました。     森下 「インスタのフォロワーが5~6千人いるじゃないですか。それってどうやって増やしてるんですか。」   力武 「僕が始めた2~3年前っていわゆるフォロワー正義、数が多ければ仕事がもらえるみたいな空気を感じていました。 みんなとりあえずフォロワー増やそうぜっていう流れがあったんですね。京都の写真とか当時めちゃくちゃ人気 だったので、あげてたらすごいlikeついてて1日でフォロワー500人とか増えてましたね。」   森下 「今まで一番バズった写真はなんですか?」   力武 「京都の写真ですね。」   森下 「気になったんですけど、基本レタッチ前提で撮るじゃないですか。フィルターをかけた状態で撮るんですか?」   力武 「いや何もしないです。rawの状態ですね。」   森下 「この田舎道いいですね。」  
  力武 「これ普通の人だと通り過ぎちゃう何気ない道なんです。車でドライブしていて、今のところ止めて!!って言いました笑 なんでここで?って言われるんですけど、自分にはめっちゃここが良く見えて、撮るって言って。頭の中でイメージできるとガーっと撮る感じですね。」   森下 「やっぱりみてても風景の写真はバズるんですね。」 ※力武さんのインスタを見ながら。   力武 「風景はバスりますね、」   森下 「じゃあフォロワーを増やすために意図して風景の写真をあげてたんですか?」   力武 「最初は意図せずにやっていたので全然伸びなくて。意図してやるとすごい伸びたんですけど、いわゆる自分が撮りたい写真ではなかったので、人の写真にだんだんとシフトしつつ、たまに風景を出してみたいな感じでやっています。」   森下 「なんかテイストが全然違うんで、遍歴みてると表現の幅が広がっているのがわかって面白いですね。」   力武 「良いと思う部分は昔と変わってなくて、昔撮った写真も今あげたりしてます。」  
    力武 「焦点距離が長いものはあんまり好きじゃないんですよ。」   森下 「ぼくは逆に長いものが好きなんですよ。」   力武 「背景がボケるから、主題が決まりやすいですね。」   森下 「逆にそれを避けたいという事ですか?」   力武 「というよりも、短焦点が自分に合ってるんですよね。風景だとたまに望遠を使ったりするんですけど。」   森下 「作品見ててすごい思ったんですけど、ここを見て欲しいというのがあまり無い気がします。ぼくはどちらかというとここを見てほしいというタイプで、物撮りとかまさにポイントを絞った写真が多いです。でも力武さんの写真は絵画みたいに全体の構成を考えている。」   力武 「そうですね!」   森下 「これとかも人が写っているけど、人がメインという訳じゃない。」    
  力武 「見ているものに影響されているかもしれないです。絵とか。でもクライアントワークの時はいろいろ撮りますけどね。そういえば以前陶芸と写真の展示販売をしてたんですよね。」   森下 「どういった展示だったんですか?」   力武 「家みたいな展示で、結構生活感のあるような展示です。ロフトみたいな、屋根裏みたいな場所だったので、テーブルに陶芸とか写真を置いて、一つの空間を作るのを意識してやりました。森下さんは展示とかやらないんですか?」   森下 「自分の作品がないので、それができたら将来やりたいなあとぼんやり考えてます。」   力武 「それは動画ですか?写真ですか?」   森下 「今は写真ですね。」   力武 「動画も面白いですよね。」   森下 「今度ストライクの展示をすることになったんで、そこで自分の思うストライクを表現したいです。」   力武 「展示の内容は決まってるんですか?」   森下 「まだ全然決まってなくて、何しても良いらしいです笑」   力武 「めがね屋さん普通しないですもんね笑 すごいですね!面白そう! やっぱり展示ですよね。結局人と合わないと。ぼくもめっちゃ大事にしてます。展示。」  
    森下 「実際にプリントして、直接人に説明する機会って少ないですよね。」   力武 「インスタ見てる人と会うと、こんな人やとは思ってなかったってめっちゃ言われるんですよ笑 もっと尖っている人かと思ったとか!そういう意味では、直接会う機会を作らないとなって。」   森下 「実際にプリントしたやつを見ると全然違うんですよね。」   力武 「僕らがケータイやパソコンで見て、良いなと思っている写真達は、結局は「データ」という実体ではない状態で、みる人の環境によって大きく変わりますよね。どの画面で見るか、どの時間に見るか、電車の中なのか。。。製作者の意図が乗りにくいんです。展示では、自分が意図した大きさ、色、場所で実際に目で見れる「モノ」として出せるので、画面上で見る写真とは全くの別物です。」   森下 「デジタルで見て完璧やなって思うじゃないですか?でもプリントしたら全然だったとかあるんですか?」   力武 「色とかですか?全体的に?」   森下 「全体的にですね。紙とかで変わってくる?」   力武 「全然違いますね!僕も展示の時は、決まったプリント屋さんがあって、そこの人にいろいろと教えてもらいながらやっています。逆にいうと、展示の時はそこで遊べるんですよね。以前富士山の写真を和紙のような毛羽立っている紙に印刷したらめちゃくちゃ良いものができました!その時は撮った時点で使う紙のイメージは浮かんでましたね。」   森下 「クライアントによってもまちまちですよね。例えば、こういう風に撮ってほしいときまっている人もいればええ感じに!みたいな笑」   力武 「いますいます! 絶対に撮って欲しいカットはこれで、あとはお任せします。みたいな。僕的にはそっちの方が撮りやすいですね。いろいろと提案できるので。それでいうと、以前お受けした内装の撮影とかは最低限押さえるところは押さえて、あとはお洒落な感じで!という感じだったので好きに撮ってました。」    
    森下 「ストライク はある程度構図が決まっているんですよ。めがねの製造って大体10工程くらい。その内、わかりづらいのが5個くらい笑 なので残りの5個でローテーションをしているんですけど、そのめがねポイントごとに撮るところは分けています。 例えば角がバキバキに立つものだったら、角を立たせる”磨き”という作業にフォーカスしますし、角がなく丸いものであれば”キサギ”という角を落としているところを撮ったりとか。ものからイメージして、そのものが意図しているところを汲み取ってするように心がけていますね。」   力武 「めがねを撮るって難しそうですね。」   森下 「めがねの形を理解していないと撮れないと思うんですよ。」   力武 「僕はめがねの知識がないので、撮って欲しいところではないところを撮っちゃいそうです。そう意味を含めて最初から入って撮影することが大切ですね。クライアントワークは。後で誤差が出ないように。最初は小さい誤差でも、後になってくるとグーっと広がってくるんで。」   森下 「クライアントの表現して欲しいところと、フォトグラファーが思う表現したいところが違う時があるということですね。」   力武 「伝えるところはしっかりと伝えないと意味がないので、それは意識しています。」   森下 「例えば美容室のシャンプーの写真だと、そのシャンプーが売れた後にリピートするか、さらにそこの美容室にいくか?とかが大事になりそうです。」   力武 「そうなんですよ!そこだから買うっていうのを作っていかないと。この人から買いたい!って写真を見て思って貰わないといけいない。クライアントワークの考え方はそのあたりですね。」    
    森下 「力武さんは写真を撮るときは、言語化するんですか?何を伝えたいとか。感覚ですか?」   力武 「今まで感覚でやってきたんですけど、最近言語化するようにしています。最近本を読めってよく言われるんですよ。なんかメモを取れって。それもあって言語化するのって大事だなあと思っています。なんか写真を撮れるだけじゃダメですね。最初は写真で伝えれば良いやって考えていたんですけど、説明した方が良い。」      
    森下 「クライアントワークではなんでその写真になったのかを説明できないといけないですよね。なんでこの色調なのか、なぜこのモデルは左側を向いているのか、なんでそのスタイリングなのか。全て説明できると納得感がある。俺が撮ったから格好良いでしょと言われても、格好良いの基準は人によって違う。なぜ格好良いのかを説明すると、共感はできなかったとしても理解をすることができるじゃないですか。」   力武 「絶対にそうですよねえ。めちゃくちゃ思います。例えば余白を楽しんで欲しいとかって便利な言葉ですけど、説明してあげた方が良い時もありますよね。」   森下 「なんで余白が必要なんですかって言われた時に、説明できないとダサい笑」   力武 「僕も感覚的に撮ることが多いので、なんでそれを良いと思ったのかを考えてます。良いなと思った写真はその時の空気とか情景をめっちゃ覚えてるんですよ。」   森下 「先方からなんでこれにしたんですかとか聞かれます?」   力武 「聞かれますよ!なんか写真をとって編集する前に見せて欲しいって。で、これ選ぶんやとかがめちゃくちゃある・・・!」   森下 「それは僕もあります。でも理由を説明すると納得してくれたり。」   力武 「言わないといけないですね。ほんとに。」   森下 「逆に、選んだものの理由を聞いた方が良いかもしれませんね。なんでそれを選んだのか。それが好きなんだったらこう言うのもありますよって言えますし。相手の好きは理解した上で、やりたい好きはそのままで、こう言った構図も取れるって言う提案ができそうです。」   力武 「そこ大事っすね。その辺の能力を伸ばさないと。」     最後に力武さんと森下にそれぞれストライクをテーマに写真を撮ってもらいました。     森下 100人が見たら100人がその写真の意図しているところがわかる写真を意識して撮っています。 ストライクのめがねのこだわりの一つがカッティング。そのカッティングを表現できるような光の反射が入った写真を意識しました。そしてインスタの投稿用に正方形で撮影しているのもポイントです。  
    力武 理想の形へ狙いを定めて、真っ直ぐ突き進んでいく職人さん達を撮りました。 モノづくりの裏側を見せてもらうと、職人の方達の真剣な姿や、試行錯誤の跡などが目に入ってきます。 そのモノづくりに対する想いを伝えていく事、残していく事も写真の大事な役割だと思っています。    
   
    Photographer Takuya Rikitake Instagram @t_riki Twitter @t_riki0930 HP : https://www.t-riki.com   Visual director Seiya Morisita Instagram @meganeya_strike_pr YouTube :ストライクチャンネル     取材 / 撮影 : Niwano Naoki twitter @ni____21