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2020.11.14

”粋な眼鏡”

一週間に一本、新しいめがねをデザインし、ストライク所属の職人が実際に制作していく ストライクチャレンジ。今週もその模様をお届けします。 今回は、実際の人物にモデルになっていただき、眼鏡をデザインする”ストライクチャレンジ セッション”をお届けします!   今回のモデルは名古屋のビスポークテーラー”粋”の代表 小川さんです。  
  小川さんとは「眼鏡に興味があり、神戸のお店に伺いたい」とご連絡頂いたのがきっかけです。 実際にお越しいただいた際、ストライクチャレンジのモデルとして眼鏡を作らせていただけませんかと提案し、今回実現しました。 ビスポークテーラーとしての厳かな雰囲気を持ちながらも優しい印象を持たせたいとご依頼いただきました。 スーツと聞くとイギリスのイメージがありましたが、お話を伺うと小川さんのお店はイタリア・ナポリのスタイルだそうです。実際に見せて頂きましたが、まず素材感がすごくいい。そしてラペルを広めにしてあり、厳かな雰囲気があったのが印象的で、イタリアンマフィアのボスのような、高級そうなスーツだなという印象でした。 そんなクラシカルで高級感のあるスーツを提案するビスポークテーラー”粋”の小川さんへのデザインを考えていきたいと思います!  
 
 
粋の店内の様子     まず初めに、イタリア・ナポリスタイルのビスポーク テーラーということで、ヨーロッパでクアドラと呼ばれているデザインが浮かびました。日本で言う、スクエアやウェリントンに近いイメージです。 クアドラだとオーセンティックなスーツに合いやすく、シャープな印象なので良いかなと思いました。しかし、こういったシャープなデザインだと、カッチリしすぎる一面もあったので、デザインをどんどん改良していきました。  
  今回のデザインは、フロントのラインについて直線的というよりは、外に落ちていくような丸みをつけることで、柔らかさを表現しています。一見、普通に見えるんですが、独特な玉型(レンズの形)と柔らかいラインを意識して、スクエア型でも、どれだけ柔らかく見せられるかというところをテーマにデザインしました。 また、色を見ていただくとフロントはネイビー、テンプルはブラウンという組み合わせになっています。これはイタリアでは”アズーロ・エ・マローネ”と呼ばれる青×茶の色合わせで、イタリア の王道の色合わせだと言われています。 イタリア紳士の嗜みとお伺いしたので、今回その要素をめがねに取り入れてみました。    
  職人 横山 「実際にお会いした時にビスポークテーラーならではの紳士的なダンディな方だという印象を受けました。 デザイナーから上がってきたデザインを見たときは、小川さんのダンディな雰囲気に対しては、ややパンチが弱く感じました。というのも、もともと小川さんがかけていた眼鏡がやや肉厚なウェリントンで、接客時に提案していたデザインもそれに近しいものが多かったからです。実際に上がってきたデザインを見たときは、スッキリめのデザインだなと思いました。 今回のデザインは、全体的に甲丸のカッティングが入っているので、柔らかい雰囲気になるように意識して磨きました。テンプルはフロントに対して斜めにくっついているので、磨く前は境目がガタついているんですが、今回はツートンになっているので、つなぎ目に違和感が出てしまうと、とってつけたような雰囲気になってしまいます。 それをできるだけナチュラルに、どこから見ても違和感なく繋がるように磨くというのが難しく、今回特に意識したポイントです。 このフロントからサンプルへの繋がりというところは、僕は普段のめがね作りの中で時に意識しています。それが、ストライクの眼鏡ならではのポイントの一つかなと思っています。量産品だと、フロントとテンプルのかみ合わせや磨きに時間をかけるのは非効率になりますが、ストライク は一個一個手作りというアナログな作りをしている分、こういった箇所に時間をかけられるので、自分自身大切にしているポイントです。」  
  ネイビーとブラウンの色合わせが、大きく奇をてらうことなく、いい塩梅になったと思います。 柔らかい印象に見せるために、全体に甲丸のカットを入れたことで、いいバランスの眼鏡に仕上がったと思います。     ビスポークテーラー”粋” 小川さん 「眼鏡をパッとケースから出した時の、最初の印象としては、極めて普通の眼鏡だなという印象でした。ところが、実際にかけてみると、決して奇抜ではないんですけれども見た目の普通っぽさ以上に個性があって、でもその個性が出過ぎてないというか。 僕たちは基本的にスーツやビジネススタイルに馴染む眼鏡が必要なので、それを邪魔しない、でも眼鏡自体が没個性ではないという絶妙な塩梅だと感じました。 のネイビーとブラウンの色合わせは、洋服でいうイタリア の定番的な”アズーロ・エ・マローネ”という色合わせで、例えていうなら、ネイビーのジャケットにブラウンのパンツやネクタイを合わせるだとか、伝統的で王道の組み合わせです。それを眼鏡で表現するとどうなるのか、非常に興味があったので、実際形にしていただくと、やはり眼鏡でもなんでも、どんなすタイルでも応用できるんだなというのは感じました。」    
  今回、実際に名古屋まで納品に伺いました。眼鏡をかけた姿を見て、すごく似合っていて感動したのを覚えています。納品時に小川さんのお店にお邪魔して、お店のスタイルや空気感、商品などを拝見させていただいて、非常に勉強になりました。 皆さん、今コロナ禍ですね。コロナ禍ではWeb会議であったりとか、技術が進歩して人と簡単に会えるようになったなと感じます。 ただ、やはり肌感というのは、実際に対面しないとなかなかわからないものなんですね。 今回、小川さんは神戸まできてくださり、実際にこちらも名古屋のお店を訪ねて、熱い話をお伺いして、ビスポークに対する思いや、お店の空気を肌で感じて、言葉以上に空気感から勉強させて頂きました。簡単に人と会えるような時代になったからこそ、人と実際に会って、コミュケーションをとることの大切さを、我々は忘れてはいけないという想いになりました。 ありがとうございました。     https://www.youtube.com/watch?v=H9lQ2pUStW8   ビスポークテーラー 粋 住所 : 〒461-0001 愛知県名古屋市東区泉1丁目14−3 ハセガワビル 1 階 営業時間 : 11:00 ~ 19:00 定休日 : 火、水曜日 電話 : 052 - 265 - 7002 HP : こちら     Instagram めがね舎ストライク : meganeya_strike めがね舎ストライク BASEMAN : meganeya_strike_baseman YouTubeチャンネル めがね舎ストライク