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2020.10.05
色気が香る眼鏡
一週間に一本、新しい眼鏡をデザインしストライク所属の職人が実際に制作していくストライクチャレンジ。 今週もその模様をお届けします! 今回は、実際の人物をモデルにしてデザインを考える企画、名付けてストライクチャレンジ“セッション”を進めていきます。 今回のモデルはこちらの方です!
アートディレクター、デザイナーとしてご活躍されている上村さん。 個人の活動としては、”混ぜるな危険”というプロジェクトチームの主宰を務めていらっしゃいます。 「混ぜるな危険」は、「香り」と接続してこなかった「何か」を繋げていくプロジェクトチーム。 「香り」を媒体にして、これまで見えなかった価値や世界を、提案していきます。 直近だと香りから本を選ぶという一風変わったイベントなど、非常に面白い活動をされている方だと聞いています。 彼はストライク のスタッフの友人で、ストライクで眼鏡を作ってみたいという思いをお聞きして、ではぜひ”セッション”をしましょうと言うことで、今回モデルになっていただきました! 今回デザインを提案するのはストライク のデザイナー木佐貫です。
木佐貫 「上村さんは普段、眼鏡やサングラスはかけないそうです。 見た目が男らしい印象なので、客観的にはゴツめの眼鏡やサングラスが似合うと思ったのですが、上村さんは、その”いかにも”な感じは避けたいとのことでした。 これらを解消するとなると、必然的に顔なじみの良いデザインになります。 ただそれだけだと味気ないので、上村さんの持っている雰囲気を活かしつつ馴染むようなイメージでデザインしていきました。」 眼鏡をデザインする上でのセオリーとして、 ・レンズの中心に黒目がくること ・リムの上のラインをまゆのラインに合わせることを意識すること があります。 それを守ることで、形を四角にしようが、丸にしようが、似合うデザインが作れます。 それに則って細身のフレームで顔なじみをよくしつつ、アウトラインの要所にエッジを立ててメリハリを効かせることで、さりげなく個性を演出できるようなデザインにしました。」
職人 横山 「今回のデザインは一見シンプルですが、実際は繊細なカッティングの組み合わせで成り立っているデザインだなと思いました。 リム上部の前、上、後ろの三面がそれぞれパキッとした面で構成されるカッティングが入っています。 さらにブリッジの部分にも直線的なカッティングが入っているので、丸く見える箇所も実は全て直線で構成されているデザインになっています。 眼鏡自体が尖った中にスマートさが感じられるような雰囲気です。それと同じ雰囲気を、僕自身お客様に対して感じていました。
そして今回は、リムの上部のカッティングの分量に一番気を使いました。リムの下部からブリッジに繋がっていくラインも繊細な直線で構成されています。 デザイナーがいつもデザインをミリ単位で調整しているのを見ているので、この箇所もすごく細かい調整をしたんだろうなと思いました。 なのでそのこだわりを消さずに活かせるように作ることを心掛けています。 こういった細かいところでも、一箇所崩れてしまうとフレームの持つ雰囲気がガラッと変わってしまうので、細部への意識は常に大事にしています。」 デザインのアクを抜いて顔なじみを良くするために、男らしく色気も兼ね備えたグレーベッコウにしました。 そして微妙なディテールを職人が組み取って磨きをかけてくれました。 手触りでしか伝わらないような繊細なエッジを、めがねに触れるたびに感じていただけるし上がりになったと思います。
上村 「僕自身、眼鏡は何個か持っているんですけど、かけてもなんか似合わない気がして、買ってもかけないことがほとんどでした。 というのも買うときになんか自分にはあってないような気がするけど、オシャレやから買っとこうみたいな感じだったからです。 今回作ってもらって、きちんとオーダーで作るってこうゆうことなんだなっていうのがわかりました。かけたときにきちんと顔に馴染むめがねをかけているような感覚になれて、それが初めての体験でした。」
今回は特に特別なことはしていません。 モデルのまゆの形、顔の幅、なりたい印象などからイメージを膨らませて、対話の中で見えてきた、 上村さんの良い個性をさらに伸ばせるような提案ができたんじゃないかなと思います。 実際にお客様との対話の中からでしか見えてこないこともたくさんありますので、そこを引き出していくのが ビスポークの本質だと思います。 混ぜるな危険の詳細はこちら。 Instagram めがね舎ストライク : meganeya_strike めがね舎ストライク BASEMAN : meganeya_strike_baseman YouTubeチャンネル めがね舎ストライク